甲板の出会い

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ハワイに里帰りする雪工場の社長と別れ、南西方向の航路を進む船の甲板で海を眺めるサラとQちゃんとシムラさん。
「雪だるまさん、どちらまで?」
話しかけてきたのは黒い帽子をかぶったカモメのような鳥。
サラ:「清流町までです、鳥さんは?」
鳥:「わたしは南極の方まで。」
サラ:「ナンキョク?!それって、北極の反対側の?」
鳥:「ええ、そのナンキョクです。私達は毎年北極と南極を行ったり来たりしてるんですが、自分はちょっと飛び疲れてしまって。」
サラ:「それで船に?」
鳥:「ええ。一度くらい、船もいいかなって」
サラ:「いいと思う!あっ、こちらはQちゃんです。で、こちらはラグビー部のシムラさん」
Qちゃん:「どうも、Qです!アザラシのぬいぐるみをしております。タクシーを呼ぶリモコンでもあります。疲れたときはタクシーを呼ぶのもアリですよ」
シムラさん:「はじめましてシムラです!ラグビー部といっても、最初に入ったのは陸上部だったんです。それでケガをして駅伝に出られなくなって…。渡り鳥だからって、絶対飛ばなきゃいけないってことはないと思いますよ」
鳥:「やさしい皆さん…。わたしはキョクアジサシのアージーと申します。」
サラ:「へえ~、いい名前!わたしはサラ!頭の上のお皿がトレードマークで、名前もサラなんです。」
アージー:「ああ、いい名前ですね。おや、だんだん風が強くなってきた」
サラ:「そうだ!下に降りてみんなで漫画を読むのはどう?」
アジ:「漫画?」
Q&シムラ:「賛成!」
船の甲板の上は出航後しばらくは乗客でにぎわっていたものの、やがて誰もが暗い海を見ることに飽きて、ひとり、またひとりと船室に降りて行きました。


