決めたらやることが速い穂香梨さん

▼穂香梨さん、ダスティガスティのラスクを語る
~ 和多保幸利 穂香梨(わたほこり・ほこり)さん インタヴュー~
一昔前はラスクっていうと、パン屋さんが前の日の売れ残りのパンを有効活用するために作っているような印象じゃありませんでした?生活の知恵というか、副産物のような。それがいつのまにかデパ地下とかで売られて、行列なんかできてるようだって、旅芸人の砂ぼこりさんから聞いたんです。ええ、私達ホコリの世界には私のようなフワフワした「綿埃(わたぼこり)」の他に、砂埃(すなぼこり)や土埃(つちぼこり)もいるんですよ。
ホコリ界ではそもそも「焼きたてのパン」自体、手に入らないんです。お店で売れ残ったパンとか、おうちの人が焼いたパンなんかがだんだん乾燥して、そのかけらが風で飛んできたりして、私達のところに運ばれてくる。それをありがたくいただいてるので、不満もないんですけど。なんとなく、食べたことないっていう理由だけで焼きたてパンへの憧れがあったんですよね。だって、なんだか、夢のようにいい匂いじゃないですか。
でも、そんな、憧れを吹き飛ばしてくれたのが、ホコリ界で今大人気のダスティガスティのラスクなんです。一度取引先の方からいただいて、その香ばしさ、食感、味わいに感動しました。何より、ラスクなのに食べごたえがあるんです。まるでビーフステーキを食べた後のような満足感。いや、食べたことないですけどね、本物のステーキなんて(笑)
ホームページを見て、ダスティとガスティというわたぼこりの双子のきょうだいがやってる、というところまでは分かったんですけど、すぐ売り切れてしまうので、なかなか手に入らなくて。でもある時美容室でタウン誌を読んでいたら、私が事務所物件をお世話した社長さんが、ダスティガスティきょうだいの小学校時代の”恩師”だったということが分かって。そんなご縁で、ダスティガスティの新店舗探しのお手伝いをさせてもらうことになったんです。
半年くらいかかりましたけど、運よく、理想的な物件が見つかって、生産量も2.5倍になって販路も拡大、やっとお店に行けば並ばずに買えるようになったんですよ。ええ、まあ、時には並びますけど平日の午前中ならだいたい大丈夫です。
そんなわけで、ただ美味しいっていうだけじゃなく、お客様との思い出があるラスクなんです。今思えば、ダスティガスティとの出会いのおかげで私も知らない世界に憧れるだけじゃなく、何か行動を起こしたいと思うようになったのかもしれません。人生、何があるかわからないですね(スマイル)。
聞きて:烏山 奈久世(からすやま・なくよ)フリーライター


